10月9日 火

昼過ぎに起床。

顔洗ってすぐ出かける。神田まで。会議と来週の打ち合わせ。資料を未だに紙で渡してくるの何とかならんか。この紙切れを入手するために電車賃かけてくるのもシャクである。古書センターと三省堂ひやかして、新刊と『悲劇喜劇』のバックナンバーなど数冊救出。ジャニスに寄ってから、エチオピア。酔っ払った白人が、カレーを前に突っ伏して寝ていた。数メートル手前にある雪小屋に辿り着けず息絶えた遭難者のようだと思った。

ベローチェに入り、資料まとめる。連絡事項、モロモロ。明日昼に入っていた取材は来週に順延。機材のキャンセルと再手配。時間空いたので、高田馬場の出版社の打ち合わせ、明日に突っ込めるか打診。

近所にいる、と連絡唐突にあったので、ゆーことさぼうるで会う。60年代の演劇状況の話など、なぜか語る。60年はあまり興味ないんだけどな。しかしまあ、相槌を打っていれば知識が入って来るので有難い。いろいろ詳しくて賢い。さすが東大だ。1時間ばかり相槌マンとなる。

その後、新宿でギターをピックアップして、代々木のスタジオ。受付するとすぐ、ちえこさん来る。1時間半、ベースの講義。見よう見まねだが。人が技能を習得する姿を見るのは面白い。三曲ほど、取り敢えずやってみる。田村さんも来たので、ボーカルとってもらい、ドタバタと演奏。楽しかったが、やっぱドラムがないと曲やった気がしない。大迫さんが芝居終わるのを待つしかない。

代々木駅前の、戦後のバラック小屋のような店で打ち上げ。ハム12枚とタマゴ5個使ったハムエッグ食べたりした。料理、というより、素材、という感じ。大変宜しい。12時前に解散。

能楽集。アンティゴネ、イスメネ、ポリュケイネスの関係を一度、シャッフルしてみる。人物が増える。キャスティングを無視して、取り敢えず、書けるところまで書く。イスメネのモノローグ。とにかく、まずはモノローグだ。

先日、ヒネミを精読して分かったのは、テクニックというのは修正能力だ。修正は如何様にも施せる。ために、何を残し、何を捨てるか?袋小路を破壊して、そこに生まれる空間をこそ、愛したい。作らなければ壊せない。歩かなければ、迷うことすら出来ない。迷ってばかりだが、歩くことを躊躇したことはない。そうかな?まあ、そうだと思っておく。

明け方、何の前触れもなく唐突にラジオがついてたまげる。多分、先週時間でセットしたタイマーが残っていたのだろう。消そうと思ったが、町田康がロングインタビューを受けていて、聞き入った。結構、素直にいろいろ喋っていた。ラジオはいいな。早朝のラジオ。どうせ誰も聴いていない。なので、こんなに地味で淡々と面白い話に30分も1時間も割ける。

『ロゴスの市』読了。